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実は危ない「一生懸命な」歯磨き

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お昼にワイドショーをつけ流していたら、「一生懸命歯を磨くしかない」なんて言葉が飛び込んできて新聞から顔を上げてしまいました(ようはお昼を食べながら新聞を読んでいたんだけどワイドショーがついていた・・・と)。

先日、母親が歯周病と診断されたと電話で宣う(笑)ので、バイト先で歯ブラシと歯磨き粉を買って郵送したところだったのです。

恐いのは、歯周病の治療に歯科医院に行っているはずなのに、歯周病治療に必要な歯磨き方法(一般論ではなく個別指導)や歯周病自体の説明、歯を抜かなければならない明確な理由などほとんど知らずにいるのです。説明を受けていても理解できなかったのか、そもそも説明がなかったのか、それは定かではありませんが、問題の多い通院です。

さて、主題に戻りましょう。

歯周病を本気で治したいと思っている人に案外多いのが「一生懸命な」歯磨きなのだそうです。通称A型気質なんて言われる、マジメで言われたことに一生懸命取り組む方に多い傾向かも知れません。そんな一生懸命な歯磨き、一見、いいことじゃないか!と思えてしまいますが、歯科において、一生懸命な歯磨きほど厄介なものはないのです(苦笑)。

一生懸命な歯磨きの多くは、歯ぐきを削り、歯も削り、なおかつ、肝心なプラーク(歯垢)は落とせないままという、磨かなかった方がマシじゃないかと思えてしまうほど、歯周病や虫歯のリスクを高くします。

と言うのも、力を入れて歯ブラシを使う場合が多いため、歯ブラシの毛先ではなく毛先が折れ曲がった毛の途中で歯を磨いているからなのです。毛先で磨かなければ歯と歯の隙間、歯と歯茎の隙間のプラークは落ちないのですから。

何故、一生懸命磨いてしまうのか・・・たぶん、歯周病が歯ぐきの病気と勘違いされていることに原因があるのではないでしょうか。そうですね、歯周病になったのは「歯ぐきをちゃんと磨かなかったから」なんていうのが、自分で考えつく理由のひとつではないでしょうか。故に、歯ぐきもちゃんと磨こう、一生懸命磨けば治るに違いない、などとなってしまうのでしょう。

ですが・・・歯周病の原因はひとつは「老化」です。これは生物である以上、避けては通れない道です。でもそのスピードをコントロールすることは可能です。ですが、それは歯ぐきを一生懸命ゴシゴシ磨くことではないことだけは確かです!!

歯周病になった、歯周病を予防したい、そう思うのなら歯ブラシは「ソフト」で十分です。硬い歯ブラシから急にソフトへ変えると磨いた気がしないかも知れませんが、1~2ヶ月もすればなれてしまうので、当分は我慢が適当だと思います。そして何より大切なのは、歯科医院への通院です。

あ、以前も書きましたが、決して私が歯科医院でバイトをしているからそう言っているのではありません。どこにも私のバイト先がどの歯科医院であるか書いてありませんので、お近くの歯科医院へ通っていただければいいのです。

話がそれました。

歯周病になると市販の歯ブラシでは届かない場所に歯周病菌がたまります。こうなると一般的に言われている「歯石除去」を受けても、歯周病菌を取り除くことができないのです。深いところに歯周病菌が歯石のようにたまってしまったら、歯周病治療のための歯石除去を受ける必要があります。これらを取り除かない限り、悪化から逃れることはできません

ですが、これらを取り除いても、一生懸命な歯磨きを続けていては、また深いところに歯周病菌がたまってしまいます。ですから、歯周病菌が深いところにたまらないよう、正しい丁寧な歯磨きをする必要があると言うことです。

歯ブラシを持つ指は最大で3本です(鉛筆のように持って下さい)。それでも歯ブラシの毛先が1ヶ月以内に広がっていく場合は、まだ力の入れすぎが疑われますので、歯科医院で指導を受けて下さい。

常に毛先で磨き、歯の表面に対して歯ブラシの毛先が直角に当たるよう、歯のカーブに沿って磨いて下さい。複数本の歯をまとめて磨く・・・はNGです。また、鏡を見て歯垢が残っていないかもチェックします。

歯と歯の間もフロスや糸ようじ、歯間ブラシでケアします。歯間ブラシは自分で適当なものを買う前に、歯科医院でフィッティングしてもらうのが無難です。適切なサイズを使用しないと、一生懸命の歯磨き同然です。ちょっと不器用かな・・・と思われる方はとりあえず糸ようじが使いやすいかも知れません。

ただし、歯周病専用の歯ブラシと歯磨き粉を使っていても、自宅ケアだけでは歯周病を治すことはできません。先に書いたとおり、深いところに存在する歯周病菌を退治することが先決です。

大切なことは歯科医院に行ってレントゲンを撮ってみることです。これによって歯槽骨の吸収(歯が刺さっている顎の骨が減少していくこと)が起こっているのか起こっていないのか、起こっている場合はどのくらい減ってしまったのか、治療をはじめるべきなのか、を歯科医から説明を受けることです。

歯槽骨の吸収は早い人で20代から、たいていは30代から始まります。吸収が始まって間もない頃に正しいケアをはじめれば、一生、自分の歯で噛むことができる環境(80歳で20本)を維持できる可能性大です。でも放置すれば・・・総入れ歯・・・とか。

歯周病の自覚のある方でも、早い時期に治療を開始することで、抜歯の本数を減らすことが可能になります。うまく行けば「0本」かも知れません。迷っているウチに抜かなければならなくなること必至ですので、まずは歯科医院へご相談を。

それから、抜かなければならないと言われた歯があっても、歯科医の説明に納得がいかない場合は歯周病専門医に相談してみて下さい。

兎にも角にも、歯磨きは優しいタッチで丁寧に磨くのが一番です。歯や歯ぐきを傷つけず、歯垢を取り除くことが歯磨きの定義ですから。

フッ素入り、殺菌効果のある歯磨き粉を使うことはもちろん有効です♪繰り返しますが、それで治るわけではありませんけどね(苦笑)。

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